1 法人税 中小企業者等の給与等の支給額が増加した場合の特別控除 雇用者給与等支給額の対前年度増加割合が1、5%以上である場合に、雇用者給与等支給額の対前年度増加額の15%の税額控除を行うとともに、税額控除の上乗せ措置として、雇用者給与等支給額の対前年度増加割合が2、5%以上である場合には、税額控除率に15%を加算する。税額控除額は、法人税額の20%が限度です。
令和4年4月1日から令和6年3月31日までに開始する事業年度に適用されます。
2 所得税
(1)住宅ローン控除制度の見直し 適用期限を4年間延長し、令和4年から令和7年末までの入居者を対象とします。借入限度額については、一般住宅、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅に区分されます。控除率は、0、7%と引き下げられ、所得要件は、2,000万円以下となります。中古住宅については、借入限度額は一般住宅が2,000万円、認定住宅等が3,000万円、控除期間は10年間となります。所得税から控除しきれなかった額は、控除限度額の範囲(最高9.75万円)で個人住民税からも控除できます。
(2)住宅ローン控除の適用除外
令和6年1月1日以降建築確認を受ける住宅の用に供する家屋で、登記簿上の建築日付が令和6年7月1日以降のもののうち、一定の省エネ基準を満たさないものの新築又は当該家屋で建築後使用されたことのないものの取得については、控除の適用がありません。
(3)既存住宅の要件変更
既存住宅については、築年数要件を廃止するとともに、新耐震基準に適合している住宅の用に供する家屋(登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅の用に供する家屋とみなす。)とします。令和4年1月1日以降居住の用に供したものから適用されます。
(4)住宅借入金等を有する場合の所得税の特別控除に係る確定申告手続等の措置
令和5年1月1日以後に居住の用に供する家屋について、住宅ローン控除の適用を受けようとする個人は、住宅借入金等を有する債権者に対して「住宅ローン控除申告書」を提出しなければなりません。また、住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書及び新築の工事請負契約書の写し等については、確定申告書への添付は不要となります。年末調整に際しては、年末残高証明書については、特別控除申告書への添付は不要となります。
(5)上場株式等の配当所得に係る課税方式
上場株式等の配当所得に係る課税方式については、所得税と個人住民税が一致されますので、住民税のみの申告はできなくなります。令和6年度分以後の個人住民税について適用されます。
3 資産課税
(1)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長・見直し
適用期限を2年延長し、令和5年12月31日までとなります。非課税限度額については、耐震・省エネバリアフリー住宅については、1,000万円、その他の住宅については500万円となります。既存住宅については、築年数要件が廃止され、登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については、要件に該当するとみなされます。年齢要件が18歳以上となります。令和4年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得資金に適用されます。
(2)事業承継税制
特例措置を受けるための特例承認の提出が令和6年3月31日まで延長されます。
4 消費税
(1)適格請求書発行事業者の登録
免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受ける場合には、その登録日から適格請求書発行事業者となることができます。
(2)棚卸資産の調整 適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入に係る税額控除に関する経過措置の適用対象となる棚卸資産については、その棚卸資産に係る消費税額の全部が納税義務の免除を受けないこととなった場合の棚卸資産に係る消費税額となります。
5 納税環境整備
(1)財産債務調書制度の追加、期限延長
提出義務者に、総資産額10億円以上(所得制なし)を有する居住者が追加されました。提出期限は、翌年6月30日となります。令和5年分以後の財産債務調書から適用されます。
(2)電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存への円滑な移行 電磁的記録の保存制度については、令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に申告所得税及び法人税に係る保存義務者が行う電子取引につき、電磁的記録の出力書面等よる保存を可能とする措置が講じられます。